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記憶の自販機
近所の路地裏にある古い自動販売機。売っているのはジュースではなく、小瓶に入った「記憶」だ。面白半分で百円玉を入れ、「楽しかった夏の海」というラベルの瓶を買った。家に帰って蓋を開けると潮の香りがして、波打ち際で笑い合う映像が頭に流れ込んできた。すごい、明日も買いに行こう。そう思ってリビングに向かうと、母が泣き崩れていた。「お願いだから、あの海で行方不明になった弟を思い出して」