星降る夜に、あの日のキスをもう一度
「どうしました」
「これからエドガーに保険をかけます。手伝っていただけますか」
もしもエドガーがイリスに戻れなくなるようなことが起こった時。
もしくは、急遽イリスに戻らなければならない事態が起こった場合。
この先なにが起こるか分からない今、かけられる備えはすべてするべきだ。
「エドガーに召喚の印をつけます」
人を召喚するのは、武器を呼ぶのとは勝手が違う。
それでも、自分がこの世界に戻ることを考えたときにしようと思っていた方法を応用すれば可能だ。でもアンジェラ一人の力では、武器よりはるかに重いエドガーを転移させることは厳しい。
力を貸してほしいというアンジェラに、コンラッドは黙って頷く。
「エドガー、かがんで」
アンジェラは頭の中で素早く考えを巡らせ、計算をすると、エドガーの両頬と額、それから顎に素早く指先で印を描く。最後にエドガーの胸のあたりに見えない印を素早く描き、固定した。次にコンラッド、それから自分の胸のあたりにも、エドガーの印に呼応する印を描いた。
「施錠。――武器に比べてかなり重いけど、ここまで厳重にしたら大丈夫」
召喚のための術式を受けたエドガーは、「俺は先生たちの武器だね」と面白そうに笑った。コンラッドの提案で、もしもの時に水を呼べる力を貸せるようにする。
「ぼく、技術の貸し出しって初めて見たよ」
「私もしたことがないが、うまくいくことを願うだけだ」
「閣下に借りずに済むように、技術を磨きます」
すべてはもしもの備えである。時空を超えるのは魔力の使用量を考えれば、実際にできると言う保証もない。そのためエドガーは神妙な顔でそう誓った。
「それでも力強いお守りです。やっぱり先生は、大魔導士ってことでいいんじゃないですか?」
母親そっくりの表情でキラッといたずらっぽく目を輝かせるエドガーに、アンジェラは小さく笑った。
「そういうことにしておきましょうか」
なら大魔導士らしく振舞ってみよう――。
パーテーションの向こうで待っていたサシャたちに話は終わったと伝えると、二人は立ち上がって、なぜか神妙に一礼をした。
「これからエドガーに保険をかけます。手伝っていただけますか」
もしもエドガーがイリスに戻れなくなるようなことが起こった時。
もしくは、急遽イリスに戻らなければならない事態が起こった場合。
この先なにが起こるか分からない今、かけられる備えはすべてするべきだ。
「エドガーに召喚の印をつけます」
人を召喚するのは、武器を呼ぶのとは勝手が違う。
それでも、自分がこの世界に戻ることを考えたときにしようと思っていた方法を応用すれば可能だ。でもアンジェラ一人の力では、武器よりはるかに重いエドガーを転移させることは厳しい。
力を貸してほしいというアンジェラに、コンラッドは黙って頷く。
「エドガー、かがんで」
アンジェラは頭の中で素早く考えを巡らせ、計算をすると、エドガーの両頬と額、それから顎に素早く指先で印を描く。最後にエドガーの胸のあたりに見えない印を素早く描き、固定した。次にコンラッド、それから自分の胸のあたりにも、エドガーの印に呼応する印を描いた。
「施錠。――武器に比べてかなり重いけど、ここまで厳重にしたら大丈夫」
召喚のための術式を受けたエドガーは、「俺は先生たちの武器だね」と面白そうに笑った。コンラッドの提案で、もしもの時に水を呼べる力を貸せるようにする。
「ぼく、技術の貸し出しって初めて見たよ」
「私もしたことがないが、うまくいくことを願うだけだ」
「閣下に借りずに済むように、技術を磨きます」
すべてはもしもの備えである。時空を超えるのは魔力の使用量を考えれば、実際にできると言う保証もない。そのためエドガーは神妙な顔でそう誓った。
「それでも力強いお守りです。やっぱり先生は、大魔導士ってことでいいんじゃないですか?」
母親そっくりの表情でキラッといたずらっぽく目を輝かせるエドガーに、アンジェラは小さく笑った。
「そういうことにしておきましょうか」
なら大魔導士らしく振舞ってみよう――。
パーテーションの向こうで待っていたサシャたちに話は終わったと伝えると、二人は立ち上がって、なぜか神妙に一礼をした。