星降る夜に、あの日のキスをもう一度

【いいえ、はっきり気付いていたわけではありません。ただ以前一緒に食事をしたときに、旦那様が少しお酒を召し上がりましたよね。その姿がどこか引っかかっていました。おそらく無意識に重ねたのだと思います。暁の狼は遠い国にいると思っていたので同一人物だとは思っていませんでしたけど、母はたぶん狼のことが好きでしたから、旦那様がそうだったらいいのに、くらいの希望はありました】

 その回答が嬉しくて、コンラッドの頬が緩む。

「キリ、ナズナ。あえてこう呼ばせてもらう。私はヒィズルにいた頃スミレを愛していたし、君達とも家族になりたいと思っていた。でも元々アンジェラは、私にとって初恋の人なんだ」

 送信した後なかなか返事が来ないので、彼は少し考えた後、次のメッセージを書いた。

「学生の時に彼女に出会って、卒業の時結婚を申し込もうと思っていた。すれ違って叶わなかったけれど」

【それは本当ですか?】【今は? 今も母を?】

 前半はグレン、後半はナタリーだろうか。

「本当だ。再会して、また好きになった。私はもう一度、いや今度こそ彼女に結婚を申し込んでもいいかい?」

【もちろんです! 一日早いですが、ドランベルの当主として二人の結婚を許可します!】

 力強いグレンの言葉に安堵する。当主の命令は強いのだから、これならアンジェラもそうそう否とは言えまい。そう思うと小さく笑いがこぼれた。

「さすがにこれは最終手段だけどな」

【母をよろしくお願いします。絶対に捕まえて、誰よりも幸せにして下さい】

 ナタリーがメッセージの最後に祈りの印を足してくる。
 心強い応援と心からの祈りにコンラッドは力強く頷いた。

「必ず!」
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