星降る夜に、あの日のキスをもう一度
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新鮮な野菜と果物を少し購入し、メロディたちも思い思いに少しだけ買い物をすると、まだ日の高いうちに帰途につく。
間もなく館が見えてくるあたりまで来た頃――。
「来る!」
微かな葉音を合図に振り向きざまにアンジェラが矢を放ち、エドガーが剣を構え、コンラッドがメロディを後ろにかばって剣に手をかけた。メロディが上げそうになった悲鳴を、すんでのところで我慢したことがわかる。
森の中から現れたのは耳と牙の大きな黒い獣だ。コンラッドよりも一回り大きいであろうしなやかな肢体は、黒豹に似ている。テネイラだ。
一発目の矢がテネイラの肩をかすめたことで、獣は隙を探すかのようにゆらりと尻尾を揺らした。
「――旦那様はメロディを」
あと少しでエドガーが張った防御壁の中だ。そこまでメロディを連れていくよう、アンジェラはテネイラから目を離さないまま囁いた。
コンラッドはこんなところで、騎士道精神を発揮してアンジェラを守ろうとはしない。かつてヒィズルで何度も連携をとった経験から、それは邪魔にしかならないと彼は知っている。
だから互いを信じ、呼吸を図った。
二発目の矢に魔力を込める。左にいるエドガーも同じように剣に魔力をためた。
エドガーとは視線でさえ合図はいらない。
(今だ!)
小さくゴーサインを出した瞬間、コンラッドはメロディを抱えて走り出し、アンジェラは地を蹴ったテネイラに矢を放つ。それは高く跳んだテネイラの心臓を貫き、エドガーの剣によって首が切り裂かれ、ドスンと思い音とともに地面に倒れた。
「とどめを!」
エドガーの剣がテネイラの背中側から心臓へと深々と突き立てられる。強いエドガーの魔力を流されたテネイラは数秒間激しく痙攣した後、だらりと弛緩した。
「さすがの命中率ですね、先生。こいつはなんですか?」
まだ油断なく獣を見ながら、エドガーがクイっと顎をしゃくる。