今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
彼女自身は知らないだろう。
あの合同プロジェクトの会議室で、
図面に赤ペンを引きながら、
『このキッチン、誰の味方なんだろう』と本気で悩んでいた表情を。
僕があの瞬間から、
ずっと彼女を〝こっち側に連れてきたい〟と思っていたことも。
好きになったきっかけは、
ヘッドハンティングの瞬間ではなかったかもしれない。
でも、
〝この人と働きたい〟と強く思ったあの会議室がなければ、
今の僕たちは存在しない。
そういう意味では、
あそこがすべての『ここから』だった。
春日小春さんを、
僕は最初に『仕事相手』として見つけた。
暁に連れてきたときは、
『戦友』として必要としていた。
そして今は――
〝ここまで〟も、
〝ここから〟も、
どちらも一緒に決めてくれる人として、
隣にいてほしいと思っている。
彼女はまだ、
あの古い名刺を僕がとってあることを知らない。
いつか、
〝ここからスイッチ〟の下あたりに、
そっと挟んでおいてもいいかもしれない。
――ここから始まりました、と。