今年のクリスマスプレゼント、君。【短】




莉子のその姿に疑問を持った俺は、すぐさま彼女の方へ向かった


「莉子?」


近くに駆け寄り、莉子に声をかけると
本当に驚いたのか、ビクッと顔を上げた彼女の顔は
涙でくずれていて
さすがの俺でも何が起こったのかは一瞬で理解できた


「庄司…」


「お前どーしたんだよ?
こんなとこで…」


「庄司知ってたの?」


「え?」


「雄平と私がこうなること知ってたの?」


「こうなることって…」


「雄平好きな人がいるんだって。
さっき別れようって言われたの」


「……」


「庄司知ってたんでしょ?
こうなることも全部。
どうして言ってくれなかったの?
大丈夫って言ったじゃん。
知ってたらマフラーなんて編まなかったのに。
言ってくれたらこんな恥ずかしいことしなかったのに!」




莉子の目からは大粒の涙が溢れて
手には行き場を失くしたマフラーが握られていた


「傷つけたくなかったんだ・・・」


「え?」


「本当のこと言って、莉子のこと傷つけるのが怖かった」


「……」


「俺さ、ずっと・・・







莉子のこと好きだったから」





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