オレンジハウス

あたかな家

アタシは、少年院に面会に行った。
季節は、もうすっかり暑くなってた。
アタシは、汗ばんでてミチヲに嫌われないか心配。
廊下のソファーに座って待ってたら、呼び出された。
ドラマでみるような、透明なガラスの壁。
ミチヲがオジサンの係員と一緒に入ってきた。
アタシは、何を話したらいいかわからない。だけど、ミチヲは笑ってうれしいっていってくれた。
ミチヲのほうが大変なのに、アタシのことを心配してくれた。
アタシは、泣いてしまった。
だけど、ミチヲが今日はアタシの笑顔をみて別れたいっていうから、アタシは、一生懸命笑おうとした。
会えてすっごくうれしいのに、全然笑えない。
笑おうとしてもポロポロ涙がでてきちゃった。
面会時間は、15分っていわれてた。
どんどん時間が過ぎてく。
チャイムが鳴った。
もう終わり……。
そしたら、係員のオジサンが笑って腕時計をみて、時計が故障したっていった。
アタシは、もうおもいっきりがんばって笑った。
たぶん、涙とかでぐちゃぐちゃの変な顔だったと思う。
だけど、ミチヲはありがとうっていってくれた。


アタシは、泣きながらオレンジ色のアパートに帰っていった。

アタシは、オレンジ色のアパートでずっと待ってた。

季節がいくつも変わった。
何度目かの冬。
灰色の空に、白い雪。
アタシは、迎えに行った。
ミチヲに似合いそうなマフラーを持って。


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