ぽふぽふ王子様は異世界グルメをご所望です!
 心なしか目つきが和らいだ気がする。いや、気のせいではない。
 ベッドから降りて、お座りをする、巨大な銀の狼さんに見つめられても一切動じない、可愛らしい猫ちゃん娘さんは、
「えー? 異世界からグルメを召喚する魔法使ったらこうなったの。
 ……ねえ、あなた」
 猫が喋るのも驚きなのだが、こちらの当惑をよそに、猫ちゃん娘さんは愛くるしいお目目で、しかも上目遣いで、
「なにか、美味しいものは、作れない? 」
 え、えぇっと……。
 この中世ヨーロッパみたいな世界観の夢からいつ、醒めるのでしょうか。
 そのとき、ぐぅうと、お腹が鳴った。
 あれ、……お腹空いた……。
 いつもいつも残業三昧で、お夕飯なんて、帰ってから、午前二時くらいに食べて。食べないと倒れるからと先輩たちに言われて、なんとか、やっと……。
 そういえば、随分とぐっすり眠れて頭がすっきりしている。
 気持ちよーく、狼さんを抱き締めて眠った爽快感が残っている。
 見れば、物欲しそうな顔をしている一同。結論は明らかだ。

< 5 / 13 >

この作品をシェア

pagetop