政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「やっ……! やぁっ、やめっ……待っ……」
「ダメ、もっと感じて。頭がおかしくなるくらい、もっと……」
「……やあぁぁっ!」
「っ……! すみれっ……」


気持ちいいよりも苦しくて、もう解放されたいと思うのに……。慧に名前を呼ばれると胸の奥が甘い音を立て、身体は悦びに打ち震えてしまう。


彼の顔は見えないが、声や息遣いから感じているのがわかって嬉しい。身体はつらいのに、一緒に果てたいと思う。


揺蕩う思考の中でぼんやりとそんなことを考えていると、不意に両腕を引かれた。すみれの身体が起こされ、自然と膝立ちになる。


すみれは、反射的に喉を大きく仰け反らせた。


「やぁっ、はぁっ、あぁっ……もっ、むり……!」
「お仕置きだ、って言っただろ? もう俺から離れられるなんて思うな」


すみれがかぶりを振ると、彼が耳元で囁く、そのまま耳朶に舌が這い、耳穴に舌が差し込まれた。


クチュクチュと、鼓膜に水音が反響する。そんな行為にすら感じてしまうすみれは、無意識のうちに腰を揺らめかせていた。


「ひぅっ……? ああぁぁぁっ……!」


程なくしてすみれが背中を大きく反らせ、のたうつように身体を戦慄かせる。
すみれを追うように慧がぶるっと震え、ふたりで昇り詰めた。


そのまま抱きしめられ、背中に口づけられる。何度かキスが落とされたあと、彼がすみれから離れた。


ソファに倒れ込んだすみれの顎を、骨ばった右手が優しく掬う。唇が重なると、すみれの心は幸福感に包まれた。


溢れ出す想いを伝えたいのに、もう声を出す気力もなくて……。すみれは、自身を抱き寄せた慧の腕の中で瞼を閉じ、この先なにがあっても彼から離れないと密かに誓った――。

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