愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
馬車の中で会った彼の、私に対する第一印象が良かったのかは分からないが、他の使用人に悪印象を与えてはいけない。
「モリア様、お顔をあげてください」
ハーヴェイと呼ばれた使用人は顔が見えずともひどく焦っているのが容易にわかった。
彼をこれ以上困らせるわけにもいかずゆっくりと顔を上げる。
すると彼はホッとしたように胸をなでおろしていた。
きっと一応とはいえ貴族の娘だから気を使っているのだろう。だが私は客人ではないのだから、そんな扱いを受ける権利などはない。
「モリア様などとんでもない。どうかモリアとお呼びください」
そう懇願するとハーヴェイさんの顔は次第に血が抜けたように白くなっていった。
「モリア。君の部屋に案内するよ」
私とハーヴェイさんのやり取りをしばらく見ていたラウス様であったが、これ以上私たちのやり取りを見ているのにも飽きたのか、再び私の手を取って屋敷の方へと歩みだした。
目の前にそびえ立つのは、同じ『貴族』という役職を持っていようが、階級の違いを見せつけられるほどに豪華なお屋敷だ。
サンドリア家の古ぼけた屋敷とは比べ物にならない。
「モリア様、お顔をあげてください」
ハーヴェイと呼ばれた使用人は顔が見えずともひどく焦っているのが容易にわかった。
彼をこれ以上困らせるわけにもいかずゆっくりと顔を上げる。
すると彼はホッとしたように胸をなでおろしていた。
きっと一応とはいえ貴族の娘だから気を使っているのだろう。だが私は客人ではないのだから、そんな扱いを受ける権利などはない。
「モリア様などとんでもない。どうかモリアとお呼びください」
そう懇願するとハーヴェイさんの顔は次第に血が抜けたように白くなっていった。
「モリア。君の部屋に案内するよ」
私とハーヴェイさんのやり取りをしばらく見ていたラウス様であったが、これ以上私たちのやり取りを見ているのにも飽きたのか、再び私の手を取って屋敷の方へと歩みだした。
目の前にそびえ立つのは、同じ『貴族』という役職を持っていようが、階級の違いを見せつけられるほどに豪華なお屋敷だ。
サンドリア家の古ぼけた屋敷とは比べ物にならない。