おにぎり☆プリンセス
おにぎりボーイ
私、どうしよ
どうしよう、手紙書こうかな。
いやでも……いやでも……。
手紙で別に伝えることなんて、別に……。
ベッドに突っ伏して必死に考えたけど、答えは出なかった。
あーあ、なんだかブルーな気分。
あいつってたしか中学入学の時に一緒になって、それから近い席になったりならなかったり。
今思えば、あいつ初日から嫌われてたわ、揚げ物の匂いがするとか何とか。
しないでしょ、やっすいシャンプーの匂い、キシキシの。
可哀想だからって1回話しかけたら、それ以来すごい懐いてきて……
最初は嫌だったけど、もう慣れちゃった……
……慣れちゃった……
俺、姫ちゃんと離れなきゃいけないんだ、怖い。
どうしよう、姫ちゃんがいなくなったらこれからどうすればいいんだろう。
どうせ俺は気持ち悪いから転校先でもきっと友達はできない。
小学校の頃からずーっといじめられっぱなしだった。
なぜか毎日突き落とされて、水かけられて、笑われて。
姫ちゃんと会えないって知ったら身体が半分引きちぎられたような気がして、足元がグラグラする。
世界が底から崩れてきて、底なしの暗い痛い穴に落ちる感覚。
俺のことを心から知ってて、何も言わないでデブでも肯定してくれて、暖かくて。
俺が何をしても怒らなかった、お姫様みたいな子だった。
姫ちゃんと一緒の時なら、こんな自分でもいいんだって思えた。
俺って多分気持ち悪い。
何が気持ち悪いのかはよくわからないけど、みんながキモイって、そう言うから。
きっと、そうなんだ。
甘い舌の味、温かい唾液、柔らかい唇。
姫ちゃんのあったかい舌が絡み合って、頭がふわふわ風船みたいに飛びそうになる。
白い腕に赤い血、ピンクのヘアピン。
こんな俺を受け入れてくれて、シャンプーの甘い匂いで苦しいこと全部溶かしてくれて。
そんな人は姫ちゃんしかいなかったのに、もう。
ああ、俺気持ち悪い。
放課後、私はいつも通り学校に行った、多分。
担任が隣にずっとついてくる、キモイ。
どうやら、私プリンセスには王子様との別れイベントが必要らしい。
最悪、何そのイベント。なんで別れなきゃいけないの?
……あーあ、それくらいならプリンセスじゃなくてもいいや。
普通の青木姫、それなりな家に生まれて、プリンセスの妄想ばっかりして、勉強ができない普通のツインテール。
3階に上がって、学校の相談室の扉を開けた。
「……りゅう」
「…………」
「なんか言ってよ。行きたくないとか言ってよ」
担任は、それじゃあと席を外して出て行った。
何よ、こういう時に限って2人を気遣うの?
いつもはおにぎりのことフル無視してたくせに
二人きり、いつも気まずいけど、今日はいつもの倍。
まるで空気一粒一粒が鉄みたいに重い空気。
「俺だって行きたくないよ……」
はあ、だったら行かなきゃいいじゃん、私の家来てよ、それか近くの施設行くとか……!!
そういうの知らないけど、どうにかできたでしょ!!
「……おにぎり行かないでよ」
「俺だってっ……行きたくないよ…………」
キモイ、王子がメソメソしてんじゃねえよ。
「キモいってば……」
しょうがない、とこの私がわざわざ近づいて盛大なるハグをしてやった。
ぎゅっ
ああ、私わざわざこんなことしてあげるなんて偉い。
「……姫ちゃん……」
いつもはべろんべろん舐めるか、ギャハギャハ言ってベタベタしてくるかのどっちか。
まともにこうやって触れ合ったの初めてだな
「行かないでって言ってるでしょ……」
前髪の崩れなんて気にする暇もなくて、頭を胸に押し付けた。
相変わらずなんでコイツはこんなに背がでかいの?ハーフだから?
羨ましいな、こいつは外国生まれで、私は英語全然喋れないよ。
「うぅ……ぐすっ……」
一丁前に抱きしめ返してきやがった。
うざい、あったかい、でっかい。
「……姫ちゃん大好き」
なんかキモいことが聞こえてきた気がするけど、適当に返事したつもり、
多分適当。
「…………そう」
……
アイツは先に部屋を出て行ったけど、そのあとなんかわんわん泣き声が聞こえた。
廊下でめっちゃ泣いてるっぽい。
わーんわーん
わーん、って、うざ、それでも男かよ。
心配した、うざかった、キモかった、まじ最低、でも会えてよかったのかもしれない。
……
「おにぎりボーイ、元気でな……」
「私も好き」
どうしよう、手紙書こうかな。
いやでも……いやでも……。
手紙で別に伝えることなんて、別に……。
ベッドに突っ伏して必死に考えたけど、答えは出なかった。
あーあ、なんだかブルーな気分。
あいつってたしか中学入学の時に一緒になって、それから近い席になったりならなかったり。
今思えば、あいつ初日から嫌われてたわ、揚げ物の匂いがするとか何とか。
しないでしょ、やっすいシャンプーの匂い、キシキシの。
可哀想だからって1回話しかけたら、それ以来すごい懐いてきて……
最初は嫌だったけど、もう慣れちゃった……
……慣れちゃった……
俺、姫ちゃんと離れなきゃいけないんだ、怖い。
どうしよう、姫ちゃんがいなくなったらこれからどうすればいいんだろう。
どうせ俺は気持ち悪いから転校先でもきっと友達はできない。
小学校の頃からずーっといじめられっぱなしだった。
なぜか毎日突き落とされて、水かけられて、笑われて。
姫ちゃんと会えないって知ったら身体が半分引きちぎられたような気がして、足元がグラグラする。
世界が底から崩れてきて、底なしの暗い痛い穴に落ちる感覚。
俺のことを心から知ってて、何も言わないでデブでも肯定してくれて、暖かくて。
俺が何をしても怒らなかった、お姫様みたいな子だった。
姫ちゃんと一緒の時なら、こんな自分でもいいんだって思えた。
俺って多分気持ち悪い。
何が気持ち悪いのかはよくわからないけど、みんながキモイって、そう言うから。
きっと、そうなんだ。
甘い舌の味、温かい唾液、柔らかい唇。
姫ちゃんのあったかい舌が絡み合って、頭がふわふわ風船みたいに飛びそうになる。
白い腕に赤い血、ピンクのヘアピン。
こんな俺を受け入れてくれて、シャンプーの甘い匂いで苦しいこと全部溶かしてくれて。
そんな人は姫ちゃんしかいなかったのに、もう。
ああ、俺気持ち悪い。
放課後、私はいつも通り学校に行った、多分。
担任が隣にずっとついてくる、キモイ。
どうやら、私プリンセスには王子様との別れイベントが必要らしい。
最悪、何そのイベント。なんで別れなきゃいけないの?
……あーあ、それくらいならプリンセスじゃなくてもいいや。
普通の青木姫、それなりな家に生まれて、プリンセスの妄想ばっかりして、勉強ができない普通のツインテール。
3階に上がって、学校の相談室の扉を開けた。
「……りゅう」
「…………」
「なんか言ってよ。行きたくないとか言ってよ」
担任は、それじゃあと席を外して出て行った。
何よ、こういう時に限って2人を気遣うの?
いつもはおにぎりのことフル無視してたくせに
二人きり、いつも気まずいけど、今日はいつもの倍。
まるで空気一粒一粒が鉄みたいに重い空気。
「俺だって行きたくないよ……」
はあ、だったら行かなきゃいいじゃん、私の家来てよ、それか近くの施設行くとか……!!
そういうの知らないけど、どうにかできたでしょ!!
「……おにぎり行かないでよ」
「俺だってっ……行きたくないよ…………」
キモイ、王子がメソメソしてんじゃねえよ。
「キモいってば……」
しょうがない、とこの私がわざわざ近づいて盛大なるハグをしてやった。
ぎゅっ
ああ、私わざわざこんなことしてあげるなんて偉い。
「……姫ちゃん……」
いつもはべろんべろん舐めるか、ギャハギャハ言ってベタベタしてくるかのどっちか。
まともにこうやって触れ合ったの初めてだな
「行かないでって言ってるでしょ……」
前髪の崩れなんて気にする暇もなくて、頭を胸に押し付けた。
相変わらずなんでコイツはこんなに背がでかいの?ハーフだから?
羨ましいな、こいつは外国生まれで、私は英語全然喋れないよ。
「うぅ……ぐすっ……」
一丁前に抱きしめ返してきやがった。
うざい、あったかい、でっかい。
「……姫ちゃん大好き」
なんかキモいことが聞こえてきた気がするけど、適当に返事したつもり、
多分適当。
「…………そう」
……
アイツは先に部屋を出て行ったけど、そのあとなんかわんわん泣き声が聞こえた。
廊下でめっちゃ泣いてるっぽい。
わーんわーん
わーん、って、うざ、それでも男かよ。
心配した、うざかった、キモかった、まじ最低、でも会えてよかったのかもしれない。
……
「おにぎりボーイ、元気でな……」
「私も好き」