敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
◇◇◇
交際ゼロ日から始めた結婚だったけれど、陽咲とふたりで温かい日々を過ごし、あっという間に二カ月が過ぎた。
もっと気楽に構えていいのに、彼女は全力で家事をがんばっている。
精神的にも肉体的にも疲れてしまわないか心配だ。だから、今度ゆっくりと食事できる店へ連れ出そうと考えている。
そんなある日、珍しく仕事が早めに終わったため、玄武堂書店へ車で向かった。
陽咲もちょうど退店するころだから、迎えに行くとメッセージを送っておけば一緒に帰れるだろう。
駐車場に車を滑り込ませ、店舗へと歩を進めたそのときだった。従業員専用の通用口から出てきたひとりの男と目が合った。
陽咲の後輩にあたる社員で、たしか名前は〝賢也くん〟だったはず。
「陽咲さんなら、もうすぐ出てきますよ」
「そう、ありがとう」
いつも書店で見かけるときは、おとなしそうな青年だという薄い印象しかなかったけれど……今日はいくぶん様子が違う。彼は俺が迎えに来たと気づいた途端、隠そうともせずに不快感を顔に出し、黒縁メガネの奥から鋭い視線を向けてきた。なぜか俺は嫌われているらしい。
「あの、一度あなたに聞いてみたかったんですけど」
すぐに立ち去るものだと思っていたが、彼は俺のそばまで近寄ってきてそう言った。
交際ゼロ日から始めた結婚だったけれど、陽咲とふたりで温かい日々を過ごし、あっという間に二カ月が過ぎた。
もっと気楽に構えていいのに、彼女は全力で家事をがんばっている。
精神的にも肉体的にも疲れてしまわないか心配だ。だから、今度ゆっくりと食事できる店へ連れ出そうと考えている。
そんなある日、珍しく仕事が早めに終わったため、玄武堂書店へ車で向かった。
陽咲もちょうど退店するころだから、迎えに行くとメッセージを送っておけば一緒に帰れるだろう。
駐車場に車を滑り込ませ、店舗へと歩を進めたそのときだった。従業員専用の通用口から出てきたひとりの男と目が合った。
陽咲の後輩にあたる社員で、たしか名前は〝賢也くん〟だったはず。
「陽咲さんなら、もうすぐ出てきますよ」
「そう、ありがとう」
いつも書店で見かけるときは、おとなしそうな青年だという薄い印象しかなかったけれど……今日はいくぶん様子が違う。彼は俺が迎えに来たと気づいた途端、隠そうともせずに不快感を顔に出し、黒縁メガネの奥から鋭い視線を向けてきた。なぜか俺は嫌われているらしい。
「あの、一度あなたに聞いてみたかったんですけど」
すぐに立ち去るものだと思っていたが、彼は俺のそばまで近寄ってきてそう言った。