色彩
放課後の美術準備室に現れるという全身真っ白な女子生徒の幽霊。七不思議によると目が合ったその瞬間、身体中の「色」を吸い込まれてしまうらしい。かつて中学生だった頃に彼女と遭遇してしまった私が、ようやく「色」を吸収されたのは、卒業から五年後のことだった。今日、旧姓の「黒柳」から「柳」になった私の隣には、ひとつ年上の王子様がいる。彼と巡り合うことができたのは、あの色彩を持たない幽霊のおかげだと思っている。
