空に吹く、風の音を教えて。
…あ。

笑った。

久しぶりだ、この笑顔。

実に6年ぶり。

あの夏以来だ。


「な、なんですか?」


颯太が食ってかかる。


「さすがほずみんの弟だなぁって思って」

「ほ、ほずみん?」

「あぁ、ごめんごめん。颯太くんのお姉さんのこと昔そう呼んでて。つい出ちゃった。あっはは!」


ツボに入ってしまったらしく、お腹を抱えて笑い転げている。

懐かしいあだ名で呼ばれた張本人はというと、こっちはこっちで顔から火が出そうなほどに恥ずかしいんだけど、場の流れ的に私の番だからと口を切った。


「保泉風花です。弟が変なことばかり言ってすみません。厨二病なんです…」

「は?誰が厨二病って…!」


颯太が私を睨みつけたところで制止が入った。


「と、とりあえず行こっか。予約の時間そろそろだし」

「あ、ほんとだ。じゃあ、みんな行こう」

「よぉし!レッツゴー!」


光莉ちゃんが異様なテンションのまま真星学園組に着いていく。

その後ろをピッタリと颯太が張りつき、私も後に続いた。

後から知ったことなんだけど、どうやら生徒会役員らしい月雲くんと和実ちゃんのエスコートのお陰で私たちは時間ピッタリに水族館に入館出来たのだった。
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