春は眩しくて、届かない


私たちの“いつもの場所”は、花壇と木々に囲まれた小さな中庭だった。


そこは、春になると柔らかな風がよく通り桜の花びらが舞っている。


一年の頃から、私たちはよくここでお昼を食べていた。


教室の賑やかさから少し離れた、この場所が私は好きだった。



「今日はあったかいねー!」



陽奈はそう言いながら、慣れた様子でベンチに腰を下ろす。


私もその隣へ座った。


春の光が葉の隙間から落ちてくる。


隣で陽奈が笑っている。


それだけで、少し安心した。



――ああ、まだちゃんと“いつも通り”だ。


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