春は眩しくて、届かない
机の横まで行って、 まっすぐ顔を見る。
「柏木くん」
「……ん」
少し低い声。
胸の奥の痛みを押さえながら、 ちゃんと笑った。
「りのんのこと、任せます」
柏木くんの目が少しだけ見開かれる。
「りのん、気ぃ使っちゃうくらい優しすぎるから」
「ちゃんと優しくしてあげてほしいです」
周りの空気が少しだけざわつく。
でも今は気にしない。
柏木くんは何秒か黙って、 それから小さく息を吐いた。