春は眩しくて、届かない
-Cherry blossom-

春のはじまり



気づけば、
外に降っていた雪はいつの間にか止んでいて、何事もなく日が過ぎていった。


朝の空気は少しずつやわらかくなって、
吐く息ももう白くならない。


通学路の端に残っていた雪も溶けて、
代わりに、
小さな春の匂いが風に混ざり始めていた。


そして。


冬が終わったことを知らせるみたいに、
桜が咲き始める。


校門の前。


淡いピンクの花びらが、
風に揺れていた。


< 209 / 264 >

この作品をシェア

pagetop