春は眩しくて、届かない
-Cherry blossom-
春のはじまり
気づけば、 外に降っていた雪はいつの間にか止んでいて、何事もなく日が過ぎていった。
朝の空気は少しずつやわらかくなって、 吐く息ももう白くならない。
通学路の端に残っていた雪も溶けて、 代わりに、 小さな春の匂いが風に混ざり始めていた。
そして。
冬が終わったことを知らせるみたいに、 桜が咲き始める。
校門の前。
淡いピンクの花びらが、 風に揺れていた。