春は眩しくて、届かない
「おはよ」
湊だった。
脳が一瞬止まる。
「な、なんで!?!?」
思わず大きい声が出る。
湊くん少しだけ困ったみたいに笑った。
「ごめん、迎えに来ちゃった」
「え、えぇ!?!?」
心臓が朝から大暴れしている。
だって。
今まで、 家の前にいるのはいつもひなだった。
そこに好きな人が立ってる状況、 破壊力が高すぎる。
完全に混乱していると、 湊はスマホを取り出した。
「鈴野には悪いけど、許可は取ってある」
「え?」
画面を向けられる。
そこには。
『シュークリーム買ってくれたら許す!』
『たまにはわたしにもりのん占領させてよね!』
ひな。
数秒固まったあと、 思わず吹き出した。
「なにこれ……!」
「ちゃんと交渉した」
湊くんが少し得意げに言う。
「シュークリームで!?」
「思ったより安かった」
「ひな絶対あとでなんか言う……!」
湊くんが小さく笑う。