春は眩しくて、届かない
学校に近づくにつれて、 周りの視線が少しずつ増えていく。
「え、あの柏木くんが!?」
「水瀬さんってまじ?」
「付き合ったの!?」
ひそひそ聞こえる声に、 肩が小さく揺れた。
繋いでいた手が、 少しだけ不安そうに弱くなる。
こんなに目立つなんて思わなかった。
湊くんは人気者で、 誰とでも話せて、 かっこよくて、 隣にいるだけで目を引く人だ。
それに比べて自分は。
りのんはふと足を止めた。