春は眩しくて、届かない



「ひな!連れてきてくれてありがとう!」



りのんが、嬉しそうにいちごミルクを見ながら笑う。


その顔を見た瞬間、陽奈は思わず小さく笑ってしまった。



「でしょー?絶対りのん好きだと思ったもん」



スプーンを持ちながら、りのんは「すごくおいしい……」と小さく呟く。


本当に嬉しそうで、見てるこっちまで楽しくなる。



——こういうところ。



りのんは、多分自分で思ってるよりずっと可愛い。


大げさに騒ぐわけじゃない。


でも、好きなものを見つけた時の顔とか。


誰かに「ありがとう」って言う時の声とか。


そういう小さい瞬間が、すごくやわらかくて目を引く。


男子が噂するの、ちょっと分かるなって思ってしまうくらいには。



「……ひな?」



じっと見ていたことに気づいたのか、りのんが不思議そうに首を傾げる。


陽奈は慌てて笑った。



「いや、りのんほんといちご好きだなーって!」



「だって美味しいし……」



少し照れたみたいに笑うその顔に、また胸の奥があたたかくなる。



——やっぱり、りのんといる時間好きだな。



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