春は眩しくて、届かない
特別な時間
それ以降、私は毎日のように図書館へ通って勉強していた。
その中で時々、柏木くんも来て。
私たちは同じ空間で、静かに勉強する時間を共有するようになった。
けれど、特別なことがあったわけじゃない。
今までどう過ごしてきたかとか、好きなものとか。 そんなたわいない話を、静かな時間の合間に少しずつ重ねていっただけだった。
テストが終わる頃には、暑かったはずの夏も少しずつ色を変え始めていて。 帰り道を吹き抜ける風だけが、季節が進んでいることを静かに教えていた。