春は眩しくて、届かない

痛みは心の中に りのんSide



廊下の角で、
りのんは立ち止まっていた。


ひなの教室に向かおうとしたら 柏木くんと2人で並んで歩いているものだから。


その途中で、
偶然ふたりの会話が聞こえてしまっただけだった。



『今日このあと予定ある?』



その言葉が耳に入った瞬間、
なぜか足が止まった。


並んで話すふたりの空気は、
思っていたよりずっと自然で。


りのんは小さく視線を落とす。


< 76 / 264 >

この作品をシェア

pagetop