財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
【side 優斗】

細い指を小さな顎に当てて、真剣にラックと睨めっこしながら次々に俺に服を渡してくる六花。

……なんとも言えない複雑な気持ちになる。

好きな女の、好きな男との誕生日デートの服を選ぶのを手伝っている、その女のことをずっと前から好きな俺。

こんなバカバカしいことをしてる男なんて世界に俺しかいないんじゃないか。

好きでもない男と結婚させられると思っていた六花が、恋愛本を没収した俺に、真剣にその訳を話した日は忘れない。

本人はまだ気づいてないみたいだけど、六花は確実に道明寺翼に恋をしている。今日だって珍しく自分でコーデしてみたいなんて言うし、六花が自分の気持ちに気づくのは時間の問題。

両思いで政略結婚できるなんて、六花にとってはこの上ない幸せ。

All is fair in love and war.なんて言うけど、俺はそもそも行動を起こせる立場じゃないし、六花の笑顔を見たいから、とりあえずコーデは真剣に組むことにした。

……一瞬魔がさしたのは確かだけど。

【side 優斗 fin】
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