財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
【side 蓮】

ショッピングモールへ到着してからというもの、六花は終始きょろきょろと辺りを見回していた。



まるで異国の地へでも来たみたいな反応。

いや、もしかしたら本人にとっては本当にそんな感覚なのかもしれない。

「おい、そんなに見回してたら酔うぞ」

俺が呆れながら声をかけると、六花は大きな瞳を輝かせてこちらを振り返った。

「だって、初めてなんですもの」

その返答があまりにも自然だったので、俺は一瞬言葉に詰まる。

初めて。

その一言が妙に引っかかった。

西園寺家の令嬢だ。

テレビで見るような高級ホテルや海外のリゾートなら腐るほど行ったことがあるだろう。

それなのにショッピングモールは初めて。

普通なら冗談だと思う。

でも、俺たちも道明寺の子息としてショッピングモールに来たのは今日が初めて。黒龍のメンバーとなら何度か行ったけど。

「マジで来たことねぇの?」

「ありません」

「一回も?」

「一回もです。」

あまりにも堂々と言うものだから、逆に笑えてくる。

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