【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
予想通りだった。

「急にどうした。」

「俺は嫌っす。」

慶介は即答する。

「みんな盛り上がってるけどマジで理解できねぇし。」

さらに続ける。

「水着姿の女とか見るだけで虫唾が走る。」

周囲が少し静かになった。

近くにいた何人かのメンバーも思わずこちらを見る。

だが、慶介本人は全く気にしていない。

本気でそう思っているからだ。

俺は少し考える。

そして、肩を竦めた。

「まぁお前ならそう言うと思った。」

「でしょうね。」

「でも六花は普通の女じゃねぇぞ。」

慶介の眉がぴくりと動く。

「何が違うんすか。」

「全部。」

「雑すぎません?」

「説明難しいんだよ。」

実際そうだった。

六花は変だ。

かなり変だ。

金持ちなのに偉そうじゃない。

知らないガキにも平気で十万円渡そうとする。

暴走族を知っても逃げない。

フードコートに感動する。

ガラケー使ってる。

兄二人は重度のシスコン。

全部変だ。

「会えば分かる。」

俺はそう言った。

慶介は納得していない顔をしている。

だが、その時だった。

プールサイドがざわつく。

誰かが呟いた。

「あ……。」

別の誰かも。

「うわ……。」

さらに。

「マジかよ……。」

俺も思わず振り返る。

そして、言葉を失った。

屋敷のテラスへ続く扉が開いていた。

その向こうから。

白い水着姿の六花がゆっくり歩いてきていた。

風に揺れる栗色の髪。

真っ白な肌。

大きな瞳。

フリル付きのビキニ。

細くくびれた腹とエロい足。

そして、恥ずかしそうに胸元を押さえながら周囲を見回す仕草。

その光景を見た瞬間。

周囲の黒龍メンバー達が一斉に固まった。

もちろん。

俺も。

翼も。

碧も。

そして、女嫌いのはずの慶介までも、小さく息を呑んだのがわかった。

俺が横目で見ると、慶介は六花を見つめたまま固まっていた。

その様子を見て、俺は思わず笑いそうになった。

どうやら黒龍最強の女嫌いにも、六花は少し刺激が強すぎたらしい。

【side 蓮 fin】

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