個人タクシー
札束をチラつかせ、私は告げる。これで行けるところまで行ってください、と。しかし運転手からの返事はない。動画の企画とはいえ悪ふざけが過ぎたかも。後悔する間もなく個人タクシーは走り出す。時刻は深夜二時を回っている。無言の車内。小糠雨が降る田舎道。徐々に不安にとらわれ始めた私が口を開きかけたときのこと、運転手がおもむろに口火を切った。お客さん、お代は不要ですので、霊界までご一緒していただけませんか?
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