あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】
「俺な、来年度から…地元の中学に赴任することになったんだ。もともと実家はあっちだし。」
え?
先生が、離れていくの…?
私はなんにも言葉が出なくなった。
「おい、七瀬?聞いてるか?」
卒業したって、いつでも会えると思っていた。
だけど現実は違うんだ。
先生は、自分の生まれ故郷に帰ってしまう。
もうあんまり会えなくなるってこと?
「大和、どうして…?東京の学校じゃ、だめだったの?」
「七瀬、ごめんな。」
先生のつらそうな顔。
それを見た私は、さらに悲しさが増してきた。
嘘じゃないんだ。
先生が、遠くに行っちゃうんだ…。
「やだ…。」
「七瀬、そんなこと言うな。」
「だって、だって…!ただでさえ卒業して会えなくなるのに。大和、やだよぉ。そんなの…。」
「そんなの、無理か?」
取り乱して駄々をこねていた私は、先生のその言葉にハッとした。
真剣な顔つきで、強く聞いてくる先生。
私を責めるような眼差し。