金木犀の奏鳴曲(ソナタ)
episode 1ーー詩月

chapter 1ーー工房にて

「詩月は?」

「詩月なら講義後に寄ると連絡があった」

ーーエリザベート王立国際音楽コンクールのヴァイオリン部門ファイナルで、入賞したら調律を教える

詩月が提案した無謀とも思えた条件、詩月は達成したばかりか、みごとヴァイオリン部門優勝という結果を持って、工房に再訪問した。

あれから2年半が過ぎた。

詩月は学士課程を2年で取得し今、修士課程で学んでいる。

音大には調律師の専門的な学科がないため、音大専属の調律師の技術を直に観る機会も殆どない。

調律師になるためには、工房で働き見習いをしながら調律技術と修理技術を学び、調律師の専門学校に通って資格試験に合格しなければならない。

詩月は大学で学び、工房で見習いをしながら、調律師の専門学校で学ぶ。

4年間で合計7ヶ月間を4回に分け(2ヶ月×3回と1ヶ月✕1回)、工房で修行をしながら、カリキュラムを消化しなければならない。
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