君の隣で、私になれた
「位置情報?」
「うん、湊と共有してるの」
「……え?共有?」
「うん」
私は笑う。
「最初は私もびっくりしたけど」
「安心するからって」
「でも、もう慣れちゃった」
琉生は少しだけ黙る。
「琉生?」
「…ずっと?」
「大学来る時と、帰る時と、出掛けた時!」
私は当たり前みたいに答える。
「へぇ……」
琉生はそれ以上聞かなかった。
「戻ろっか」
「うん」
2人で席へ戻る。
「遅ーい!」
紅羽が笑う。
「何してたの?」
「電波悪くて…」
私は笑って答えた。
「あー、そういうことね」
紅羽は納得したように頷く。
ーー琉生side.
“安心するから”
“もう慣れちゃった”
その言葉だけが頭から離れない。
恋人なら。
普通なのかもしれない。
でも。
位置情報まで共有するものなのか?
俺には分からなかった。