君の隣で、私になれた


ーーー宿泊先の旅館。

ーー琉生side.



京都の風情ある旅館。

和の雰囲気。

だけど今時のお洒落さもある。



旅館の料理を囲んで。

笑って。

飲んで。

男女別れて温泉へ。


温泉で温まった頃には。

もう夜は結構更けていた。



温泉から上がって部屋に戻る。

髪は乾かしただけ。

ノーセット。


「なんかオフだなー」

鏡にうつる見て笑う。

「いつもセットしてるもんな」

新も苦笑する。



コンコン。

新が扉を開ける。


「おじゃましまーす!」

勢いよく紅羽が入ってくる。


その後ろから。

「お邪魔します。」

莉桜も入ってきた。



「へぇ、浴衣いいじゃん」

思わず目が止まる。

2人とも浴衣。

髪もゆるくまとめていて。

昼間とは雰囲気が違う。


「……」

紅羽が俺を見る。

「ねぇ見すぎ!」

「いや、誰かなーて思って」

「は?」

「ギャルどこいった?」

「ちゃんと置いてきた!」

「温泉に?」

「そうそう。」

「忘れ物してるじゃん」

「うるさい!」

紅羽が笑いながら腕を叩いてくる。


普段がメイクしっかりだから結構変わる。

でも悪い意味じゃなくて。

顔の印象がいつもより柔らかくなる。


「でも確かに…」

新が頷く。

「今日一番大人しい」

「すっぴんだから!」

「テンションまで落ち着いて見える」

「それ褒めてる?」

「たぶん」

「たぶんって何!」

そのやり取りにみんな笑う。


「莉桜は……」

自然と莉桜へ目が向ける。

「変わんな」

「ほんと??」

少し嬉しそうに笑う莉桜。

「童顔が加速した」

「ねぇひどい!」

「ほぼ高校生じゃん」

「こないだ大学卒業したんだけど!」

次は不満げな表情。


新も莉桜の方を見る。

「高一」

それだけ言って少し笑う。

「新まで!しかも1年!?」

「はい莉桜、卒業取り消し!」

俺は笑って莉桜の頭に手を置く。

「やだ困る!」

笑い声が重なる。


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