君の隣で、私になれた
そのまま2人黙々と課題を進める。
莉桜とは沈黙でも気まずくない。
「あ!そうだ、莉桜…」
私は莉桜に自分のノートを差し出す。
「英語助けて」
「また?」
「また」
「どこ??」
莉桜がノートを覗き込む。
「ここ!」
「あー、これはこういう意味で…」
「こっちは??」
「こっちはね……」
また?って言いながら丁寧に教えてくれる。
そして莉桜の英語力がすごい。
文学部だからとかじゃなくて既に英語完璧。
語学は本当に敵わない。
「莉桜ってCAとか向いてそう」
「え?なんで?」
「英語話せるし」
「まだ全然だよ」
「話せる人みんなそう言う」
前にも、まだ日常会話レベルって言ってて。
1年生でそこまで出来るのが凄い。
見た目も綺麗だし、CA絶対向いてる。
「紅羽は雑誌編集とか向いてそう」
思わず止まる。
「え?」
「流行に詳しいし、お洒落だし、センス良い」
「人と話すのも得意でしょ?絶対向いてる」
心を読まれたみたいで。
驚いたし、なんか嬉しかった。
「なれるかな」
「絶対なれる」
即答。
莉桜は最初からそうだった。
変な慰め方をしない。
でも信じて背中を押してくれる。
だから不思議と説得力がある。
「あ、いた」
聞き慣れた男の声。
顔を上げる。
「見つけたー」
琉生。
その後ろから新。
2人とも隣の席に座ってテーブルを見る。
テーブルの上には英語の課題。
「また莉桜にさせてんのか」
新が呆れたように言う。
「させてない!手伝ってもらってるだけ!」
「毎回同じこと言う」
「事実だもん!」
「どうせほぼやってもらってんだろ」
「失礼な!」
相変わらず、失礼な男。
「え、ずる」
琉生が言う。
「莉桜、俺のも手伝って」
「お前は自分でやれ」
新が即答。
「なんで?」
「お前の場合、本当に全部やらせるだろ」
「バレた?」
「バレてる」
みんなの笑い声が重なる。
気付けばまた4人でいる。
それぞれ、
学部も。性格も。得意なことも。
全部違う。
でも、
気付けば一緒にいる。
それが私たちだった。