君の隣で、私になれた
第17話 恋を追いかける女
ーーー大学2年の秋。
ーー紅羽side.
それぞれの恋愛事情。
紅羽の場合。
大学。
商学部。
「で?」
目の前に座る友達が聞く。
「例の人どうだった?」
私は机に突っ伏した。
「おわった」
「早っ」
「ヤリ逃げされた」
友達が呆れたように天井を見る。
「また?」
「今回こそは良い人だと思った」
「それ毎回言ってる」
「だって今回は違ったもん!」
「何が?」
呆れて聞く友達。
「優しかった!」
「みんな最初は優しい」
「顔も良かった!」
「それは知ってる」
「ちゃんと話聞いてくれた!」
「みんなヤる前は聞く」
「ひどい!」
友達は呆れながら笑う。
私は至って真剣。
だから少しだけ落ち込んでいた。
今回こそは違うと本気で思ってた。
いっぱい可愛いって言ってくれたし。
本当に少しだけ。
期待していた。
「紅羽さ、ほんと男見る目ないよね」
「ある!」
「絶対ない」
周りからも笑いが起きる。
「あ、今日飲みあるんだった」
友達がスマホの画面を見ながら言う。
「誰と?」
「早稲田の先輩たち」
私はバッと顔を上げる。
「イケメンいる!?」
「いる」
「行く!!」
もちろん即答。
「まだ聞いてない」
「行く!!!」
友達が笑う。
ーーー夜。
居酒屋。
3対3の合コン。
席について前を見る。
約1秒。
…いた。
向かい側。
黒髪。
高身長。
かっこいい。
完全にタイプだった。
やばい、かっこいい。
開始3分。
また新しい恋が始まる。