きみと、名前のない空を。
君と私
 「あ、葵じゃん。また空見てんの?」

 どうしてこう、私が好きなことをしている時に話しかけてくるかなぁ。

「…うん。」
「じゃー俺も見る」
 さりげなく隣に座ってきたこいつは、蒼井朝陽。私の幼馴染だ。昔から人とうまく話せない私に、朝陽は変わらず笑顔で話しかけてくる。

 「今日は公園行く?」

 私たちはいつも、放課後に公園へ行く。あの公園は人気がなくて落ち着く。

「行くよ。」
「じゃ、一緒に帰ろーぜ!」
「…まあ、いいよ。」
「っしゃ!!」
「急にでっかい声で叫ぶのやめてほしいんだけど。」
「ごめんて」

 朝陽と話してる時は、素直に思ったこと言えるんだけどなぁ。。。

「おーい、雨宮さーん!!」
 クラスのいわゆる”陽キャ女子”、田中さんだ。
 はぁ、と思わずため息をついてしまった。でも、せっかく話しかけてくれたから、少しだけ話してみよう。

「どうしたの?」
できる限り明るく振る舞う。
「今日さ、クラスの女子で遊び行くんだけど、雨宮さんも来る?」
「えっ…」
 正直、行きたくなかった。でも誘ってくれてるし、断ったら気を悪くするかもしれない。どう断ったら良いか分からずおどおどしていると、
 「今日は葵と何話そっかなー」と、数メートル離れたところからこちらまで聞こえる声
で朝陽が言った。

心の中で「ナイス朝陽!」と言うと、先ほどの朝陽の言葉を理解したのだろうか。田中さんは、
「もしかして、朝陽が先客?」
と聞いてきた。
「うん。」と応えると、
「そっかぁ!それは仕方ない!また誘うね!」と言い、田中さんはどこかへ行った。
 私は誰にも聞こえないくらい小さな声で、「また、はなくていいんだけどな。」と呟いた。
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