常夏の甘い恋を、キミと。 〜どうやら恋の始まりはお互いフェチだった模様です〜

フェチから始まっても、いいよね?

「はぁ〜あ。今日もいい人いなかった!」
深夜23時、独り暮らしのマンションまでの道をとぼとぼ歩いている女子は私、小鳥遊陽葵(たかなしひまり)。
さっきまではオシャレで派手なバーにいたというのに、このあたりはみんな寝静まっているのか、人の活気を感じない。
…………昼は車も行き交っているし、何より都会だから盛り上がっているのになぁ。
どうせ今の時間帯は、良い子は寝ているか、若者たちは近くの歓楽街で夜のひとときを楽しんでいることだろう。

私はどうも、こういう静かな場所は落ち着かない。
もともとはしゃいでいたいタイプだからなのか、みんなといるときの方がテンションは倍に高くなるのだ。
なんで私がこんなに静まり返った時間帯になるまで外にいたのかというと。
………お察しの通り、合コンだ。

高校生までは親の方針で女子校に通わされていたせいか、脳の回路がいくつか切れてしまったのだろうか。
私は大学生になってから素を出し、今は家を出て1人気ままに過ごしている。
いやぁ〜、キツかった…………、あの女子校にいる6年間!
挨拶は「ごきげんよう」だし、みんなスカートは膝丈を保っていたし、笑い方も上品!
私はあんなお淑やか系にはどうがんばってもなれない。それでもなんとかやって来たが、人間繕うのにも限界はある。
挨拶は「やっほ〜」だし、スカートは短いのがいいし、結構大爆笑するときもある。そんな私を両親はなんとかもう少し落ち着いた雰囲気にさせたかったそうだが、残念。そんなものは無理だ、他をあたってくれ。

そしてそんな私は、今何よりも大事にしているのがある。
そう、それは…………今まで楽しむ暇がなかった恋愛!
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