地味な私が人気者の幼なじみに溺愛されています。
「さーー」
花梨が声を上げるより先に。
そっと腕を回す。
ぎゅっと抱きしめた。
腕の中に収まった身体は驚くほど細くて、触れた瞬間に伝わる体温が胸の奥まで染み込んでくる。
かすかに震える肩。
浅く乱れた呼吸。
制服越しに感じる鼓動。
全部が、花梨がずっと無理をしていた証みたいで苦しかった。
「え、え?さ、皐月!?どうしたの?」
戸惑った声が耳元で震える。
それでも離せなかった。
今だけは。
もう強がらなくていいと、そういう場所を作ってやりたかった。
「大丈夫。」
できるだけ優しく耳元で囁く。
すると腕の中の身体がぴくりと震えた。
吐き出された息が、かすかに俺の胸元に触れる。