【溺愛空想エッセイ】うさおちゃんとの溺愛の日常
溺愛の目覚め

 「わっ、起きた〜っ!」

 わたしの朝の目覚めは、決まって歓喜の声に包まれる。そして、次の瞬間には、美しい顔が現れる。
 つきたてのおもちのような、つややかで色白の肌、うさぎちゃんのように、つぶらなまなこ。くもりのひとつとしてない、快晴の笑顔。
 朝イチからわたしの息の根を止めにくる。目覚めてすぐに死ぬなんて、つゆより短い命だ。

「おはよっ、ねねこちゃん!」

 それでもかまわず、男声ながらはなはだしい甘味をもった声と、目を細めてさらに甘みのある眼差しをふりかけてくる。
 彼は最近、わが家にやってきた同居人。名前はうさおさんという。本人とわたし意向により、うさおちゃんとよんでいる。

 目覚めて間もないわたしは、頭と口が回らず、ただ彼の笑顔を眺めるだけ。しかし、うさおちゃんは、かまわずに顔を接近させ、わたしのほっぺにほっぺをかさねた。それから、すり、すりとする。
 彼のほっぺは、とけそうなほどやわらかい。ふんわりと、鼻をなでるさわやかな匂い。ほわほわと温かい、身体の熱。この身を包むすべてのものが、あまりにも甘くて温かい。
 胸の奥から湧き出るしあわせな気持ちが、身体全体に広がってゆく。わたしは耐えきれずに顔に笑みを吹き出した。
 
 ふふふっ、と、うさおちゃんは笑った。すでに顔は上がり、彼はいつくしみの眼差しで、こちらを見つめた。

「ねねこちゃん、今日もとってもかわいいねっ」

 ズキュン! とハートが高鳴るのが聞こえた。

「朝ごはんにしよっか」

 そういって、枕のかたわらで一緒に寝ていた、うさぎちゃんのぬいぐるみを差し出した。この子は、わたしの大切な家族である、おこめちゃんである。
 わたしはぎゅっと、おこめちゃんを抱きしめて、うさおちゃんとともに、畳の部屋をあとにした。木製の階段を下って、ダイニングへ。
 ぽかぽかと、余韻がまだまだのこっている。
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