限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
 以前から、可愛い可愛いと思ってはいたが、ますます可愛くなる。これはおかしい。ローレンがおかしいのか、俺の目がおかしいのか……はたまた、どちらもおかしいのか。

 恋に落ちれば人はおかしくなってしまうと聞いていた。これは、間違いない。証拠は見ての通りに俺だ。これまでには、簡単に出来ていたはずの計算が出来なくなってしまう。

 それをもし怖いと尻込みするなら、恋愛は一生しない方が良い。上手くいく保証のある恋愛など、あるはずもないからだ。

 何度も失敗を乗り越えて進む方が好きなのなら、絶対にした方が良い。

 恋愛は人生の彩りであり、そこで人は苦楽を味わうことが出来るだろう。裏切り裏切られることだってある。それを楽しむ程度の気概がないのなら、あまりお勧めはしない。

 ローレンは俺がもし心変わりをしたらという例え話をしたことがあったが、それは俺にだって同じことだ。

 俺だってここまでのめり込んでいる存在のローレンが裏切れば、きっと正気ではいられない。

 だから、元王妃アニータの罪は人は皆、あまり直視はしたがらないのかもしれない。誰だって罪を犯すし、誰だって裏切られれば人を恨む。

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