限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
「闘技大会の表彰式は、毎年あるからな。そう貴重なものでもない。俺には、ローレンの体調の方が大事だ」

 毎年優勝するのだから、今年くらいどうってことはない……ということだろうか。自分の実力に対し自信に満ちあふれていて、羨ましい。

 私は来年には、貴方の婚約者ではないけれど……。

「……ありがとうございます」

 お礼を言ったギャレット様は照れた様子で嬉しそうに微笑み、風のような速さで走り出した。まるで、重さを苦にしていない。私のドレスだって、軽くはないはずなのに……。

 嘘に嘘を塗り重ね、それでも家族のためにと誤魔化すしかないなんて……もう、私はもしかしたら、正しい者を愛するという神様に嫌われてしまっているのかもしれない。




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