限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
 身分の高い彼の方から足を運んでもらうなんて申し訳なくて……という話に持って行こうとしたら、ギャレット様はにっこりして微笑んだ。

「俺はローレンに会いたいから、急いで仕事を終わらせた。迷惑だったか?」

 率直な『会いたいから』に、胸が高鳴ってしまった。

 この人とは結婚しない。この人は違う人と結婚するを十回心の中で唱えたところで、私は平然を装い淡々として彼に言った。

「迷惑な訳は、ありません。ええ。そんなはずありませんわ」

「ローレンは、俺のことが好きだからな」

「えっ? そうですね。ええ。そうです。もちろんです」

 不意に気持ちを確認されて、動揺をしてしまった私を見透かすようにして、ギャレット様は鷹揚に頷いた。

「実は……この前ローレンとの結婚式を早めたいと言ったんだ……だが、義母上が君の気持ちを一番に考えて行動せよと言われて……父上は特に問題ないし、跡継ぎの俺が妃を早く娶れば国民感情も落ち着くだろうと賛成してくれたんだが……ローレン、君はどう思う?」

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