聖女の力のない令嬢の織った布に、冷徹公爵は恋をした。
プロローグ



 この世界には世界を癒す聖女が存在する。
 大昔、聖剣を持つ王と聖女が婚姻をしたクレピャ聖国。二人の間には王女が四人生まれた。四人の子には全てにおいて聖女としての能力があった。
 第一王女は、土地を豊かにする豊穣の聖女。
 第二王女は、全てにおいて癒すことのできる聖女。
 第三王女は、天候の聖女。
 第四王女は、糸紡ぎの聖女。
 
 聖剣を持つ王は、王位継承権の争いを避けるために考えた。
 全てにおいて癒すことのできる聖女である第二王女を国王にすることに決め、他の王女には家名と領地を与えた。

 土地が枯れて痩せている領地は土地を豊かにする豊穣の聖女にはネティヤ。
 天候に左右され苦労していた領地には天候の聖女にはユヴァン。
 絹産業が盛んな土地には糸紡ぎの聖女にユーリホキラス。

 そうして三大名家が出来て、数百年。現在では、三大公爵家として名を馳せている。
 その中の一つ、糸紡ぎの聖女を代々輩出するユーリホキラス家。

 ユーリホキラス家の令嬢リディア・ユーリホキラスは十七歳になった春、自分がこの家で唯一の外れ者であることを改めて突きつけられた。



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