君の隣。~一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、10年間私を忘れられずにいた「親友の元彼」でした~
見覚えのない名前
それからは、何事もなかったかのように、毎日の平穏な時間が普通に過ぎていった。
あの公園での仲直りを経て、私たちを包む空気は前よりもずっと温かいものになっていた。
新太も無事に部活へと復帰し、放課後はまた泥だらけになってボールを追いかける日々が戻ってきた。
新太の家族ともよく一緒に出かけたりもした。
以前よりも、お互いの家族との距離も少し縮まったような気がしていた。
新太がサッカー部に入部したのがきっかけで、私にも新しい友達ができた。
サッカー部のマネージャーをしている、明里(あかり)と千春(ちはる)の2人だ。
私の所属するハンドボール部とサッカー部は活動場所のコートが近くて、部活中にお互いの姿をよく見かけるうちに、私たちは自然と仲良くなった。
特に明里とは、驚くほど気が合った。
趣味や好きなものの話で盛り上がり、部活が終わってからも一緒に過ごすことが多くなっていった。
そんな、ある日のこと。
新太も私も、お互いにそれぞれ他校での練習試合が入っていて、「終わったら合流しよう」と事前に新太と約束をしていた。
お互いの練習試合の会場になった高校が、偶然にも私の家から近かったため、その日は私の家で集合することになった。
私の方が一足早く試合が終わって帰宅した。
お昼過ぎの明るい光が差し込む中、私は先にシャワーを済ませて、新太のことをリビングで待っていた。
髪を乾かし終えた頃、テーブルの上のスマホが短く震えた。
『今終わったー! 柚那ん家向かうね!』
『汗かいたからシャワーだけ借りたい』
新太からそんなLINEが届いてから、ほどなくしてインターホンが鳴り、新太が私の家に到着した。
大きなエナメルバッグを肩にかけた新太は、少し疲れた顔をしながらも、嬉しそうに笑った。
「シャワーを済ませたら、荷物とかも一回置きたいし、今度は俺ん家に行こう」
新太はそう言って、着替えを持ってすぐにお風呂場へと向かっていった。
バタバタと脱衣所に入っていく新太の後ろ姿を見送る。
新太がシャワーを浴びている最中、私はハッと気がついた。
「あ、タオル出すの忘れた」
脱衣所に向かい、バスタオルを出して棚に置こうとした、その時だった。
洗濯機の上にぽつんと置かれていた、新太のスマホの画面がふいに、ピカッと光った。
水の流れる音が響く脱衣所の中で、その白い光は妙に目立って見えた。
いつもなら気に留めないはずなのに、なぜかその時は、吸い寄せられるように、ふとスマホの画面に目をやってしまった。
LINEの新着通知が表示されていて、そこにはハッキリと文字が浮かび上がっていた。
送り主:【奈津(なつ)】
──新着メッセージがあります。
内容は非表示にされた画面に、ぽつんと浮かぶ、見覚えのない女の子の名前。
それを見た瞬間、心臓がドクンと嫌な跳ね方をした。
新太の周りに、そんな名前の子がいただろうか。
頭の裏側で、冷たい風が吹き抜けるような、強い嫌な予感がした――。
あの公園での仲直りを経て、私たちを包む空気は前よりもずっと温かいものになっていた。
新太も無事に部活へと復帰し、放課後はまた泥だらけになってボールを追いかける日々が戻ってきた。
新太の家族ともよく一緒に出かけたりもした。
以前よりも、お互いの家族との距離も少し縮まったような気がしていた。
新太がサッカー部に入部したのがきっかけで、私にも新しい友達ができた。
サッカー部のマネージャーをしている、明里(あかり)と千春(ちはる)の2人だ。
私の所属するハンドボール部とサッカー部は活動場所のコートが近くて、部活中にお互いの姿をよく見かけるうちに、私たちは自然と仲良くなった。
特に明里とは、驚くほど気が合った。
趣味や好きなものの話で盛り上がり、部活が終わってからも一緒に過ごすことが多くなっていった。
そんな、ある日のこと。
新太も私も、お互いにそれぞれ他校での練習試合が入っていて、「終わったら合流しよう」と事前に新太と約束をしていた。
お互いの練習試合の会場になった高校が、偶然にも私の家から近かったため、その日は私の家で集合することになった。
私の方が一足早く試合が終わって帰宅した。
お昼過ぎの明るい光が差し込む中、私は先にシャワーを済ませて、新太のことをリビングで待っていた。
髪を乾かし終えた頃、テーブルの上のスマホが短く震えた。
『今終わったー! 柚那ん家向かうね!』
『汗かいたからシャワーだけ借りたい』
新太からそんなLINEが届いてから、ほどなくしてインターホンが鳴り、新太が私の家に到着した。
大きなエナメルバッグを肩にかけた新太は、少し疲れた顔をしながらも、嬉しそうに笑った。
「シャワーを済ませたら、荷物とかも一回置きたいし、今度は俺ん家に行こう」
新太はそう言って、着替えを持ってすぐにお風呂場へと向かっていった。
バタバタと脱衣所に入っていく新太の後ろ姿を見送る。
新太がシャワーを浴びている最中、私はハッと気がついた。
「あ、タオル出すの忘れた」
脱衣所に向かい、バスタオルを出して棚に置こうとした、その時だった。
洗濯機の上にぽつんと置かれていた、新太のスマホの画面がふいに、ピカッと光った。
水の流れる音が響く脱衣所の中で、その白い光は妙に目立って見えた。
いつもなら気に留めないはずなのに、なぜかその時は、吸い寄せられるように、ふとスマホの画面に目をやってしまった。
LINEの新着通知が表示されていて、そこにはハッキリと文字が浮かび上がっていた。
送り主:【奈津(なつ)】
──新着メッセージがあります。
内容は非表示にされた画面に、ぽつんと浮かぶ、見覚えのない女の子の名前。
それを見た瞬間、心臓がドクンと嫌な跳ね方をした。
新太の周りに、そんな名前の子がいただろうか。
頭の裏側で、冷たい風が吹き抜けるような、強い嫌な予感がした――。