君の隣。~一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、10年間私を忘れられずにいた「親友の元彼」でした~
終わらせてくれない過去
翌日。
今日はあいにくの休日だった。
学校があれば、すぐに明里を捕まえて相談できたかもしれない。LINEで伝えようかとも思ったけれど、いざ画面に向かうと、このぐちゃぐちゃな感情をどう文字にしていいか分からなかった。結局、文字を打っては消すのを繰り返し、誰にも送信できないままスマホを閉じた。
もちろん、勇斗に話すことなんて絶対にできない。
一人で自分の部屋にいると、どうしても思考が堂々巡りしてしまう。
私は、昨夜届いた新太からのLINEに返信すべきか否か、朝からずっと迷い続けていていた。
自分自身に問いかける。
「返信しようか迷っているのは、心のどこかで彼と繋がり続けたい気持ちがあるから?」
「それとも、ただこのモヤモヤを早く終わらせたいだけ?」
明確な答えが出ないまま、無駄に時間だけが過ぎて夜を迎えてしまった。
ベッドの上で何度も同じことを考えているうちに、こんなことで一日中悩んで、また新太に振り回されている自分が段々と馬鹿らしくなってきた。
私は、今のこの重苦しい気持ちを断ち切るために、終わりの返信を送ることに決めた。
『過ぎたことだからもういいよ』
たった一言。震える指で送信ボタンをタップする。
私にはもう未練なんてないという、彼に対する精一杯の強がりと、拒絶のつもりだった。
返信を終えたことで少しだけ肩の荷が下りた気がして、私はそのままお風呂に向かった。熱めのシャワーを浴びて、昨日からの嫌な冷や汗と一緒に、彼への感情もすべて洗い流したつもりだった。
けれど、部屋に戻ってスマホを開くと、すでに新太から返信が届いていた。
『連絡ありがとう。ごめんな。それと、俺の部屋から柚那のピアスが見つかったんだ。これよく着けてたやつだろ? 探してなかったか?』
メッセージと一緒に送られてきた一枚の写真。
画面に映し出されたそれを見た瞬間、息が止まりそうになった。
――お気に入りだった、華奢なデザインのピアス。
付き合っていた頃に片方をなくしてしまい、いくら探しても見つからずに泣く泣く諦めていたものだ。
それがずっと、新太の部屋にあったなんて。
写真の背景に写り込んでいる彼の部屋のラグマットが、あんなに好きだった頃の記憶を強引に引きずり出していく。
動揺で心臓がバクバクと音を立てる中、私は吸い寄せられるように文字を打ち返してしまった。
『探してて見つからなくて諦めてたやつ。新太の部屋にあったんだね』
送信して数秒。すぐに既読がつく。
『うん、また今度渡すよ』
『また今度』――。
スマホの画面を眺めながら、私は呆然とした。
今の私たちに、この先「今度」なんて言葉を交わすような関係性が、本当にあるのだろうか。
もう終わったはずなのに。今日で完全に断ち切るつもりだったのに。
画面にぽつりと浮かぶ『また今度』という文字が、私の決意をあっさりと揺るがしていく。
突き放さなければいけないと頭ではわかっているのに、どうしても、その言葉から目を逸らすことができなかった。
今日はあいにくの休日だった。
学校があれば、すぐに明里を捕まえて相談できたかもしれない。LINEで伝えようかとも思ったけれど、いざ画面に向かうと、このぐちゃぐちゃな感情をどう文字にしていいか分からなかった。結局、文字を打っては消すのを繰り返し、誰にも送信できないままスマホを閉じた。
もちろん、勇斗に話すことなんて絶対にできない。
一人で自分の部屋にいると、どうしても思考が堂々巡りしてしまう。
私は、昨夜届いた新太からのLINEに返信すべきか否か、朝からずっと迷い続けていていた。
自分自身に問いかける。
「返信しようか迷っているのは、心のどこかで彼と繋がり続けたい気持ちがあるから?」
「それとも、ただこのモヤモヤを早く終わらせたいだけ?」
明確な答えが出ないまま、無駄に時間だけが過ぎて夜を迎えてしまった。
ベッドの上で何度も同じことを考えているうちに、こんなことで一日中悩んで、また新太に振り回されている自分が段々と馬鹿らしくなってきた。
私は、今のこの重苦しい気持ちを断ち切るために、終わりの返信を送ることに決めた。
『過ぎたことだからもういいよ』
たった一言。震える指で送信ボタンをタップする。
私にはもう未練なんてないという、彼に対する精一杯の強がりと、拒絶のつもりだった。
返信を終えたことで少しだけ肩の荷が下りた気がして、私はそのままお風呂に向かった。熱めのシャワーを浴びて、昨日からの嫌な冷や汗と一緒に、彼への感情もすべて洗い流したつもりだった。
けれど、部屋に戻ってスマホを開くと、すでに新太から返信が届いていた。
『連絡ありがとう。ごめんな。それと、俺の部屋から柚那のピアスが見つかったんだ。これよく着けてたやつだろ? 探してなかったか?』
メッセージと一緒に送られてきた一枚の写真。
画面に映し出されたそれを見た瞬間、息が止まりそうになった。
――お気に入りだった、華奢なデザインのピアス。
付き合っていた頃に片方をなくしてしまい、いくら探しても見つからずに泣く泣く諦めていたものだ。
それがずっと、新太の部屋にあったなんて。
写真の背景に写り込んでいる彼の部屋のラグマットが、あんなに好きだった頃の記憶を強引に引きずり出していく。
動揺で心臓がバクバクと音を立てる中、私は吸い寄せられるように文字を打ち返してしまった。
『探してて見つからなくて諦めてたやつ。新太の部屋にあったんだね』
送信して数秒。すぐに既読がつく。
『うん、また今度渡すよ』
『また今度』――。
スマホの画面を眺めながら、私は呆然とした。
今の私たちに、この先「今度」なんて言葉を交わすような関係性が、本当にあるのだろうか。
もう終わったはずなのに。今日で完全に断ち切るつもりだったのに。
画面にぽつりと浮かぶ『また今度』という文字が、私の決意をあっさりと揺るがしていく。
突き放さなければいけないと頭ではわかっているのに、どうしても、その言葉から目を逸らすことができなかった。