久我くんの過保護が止まらない!
ものすごく気まずい。

原因は分かっている。

二人とも、相手の浴衣姿を見てしまったからだ。

陽菜は淡い水色の浴衣に白い朝顔。

普段は下ろしている髪も、今日はゆるくまとめられていて、うなじが少しだけ覗いている。

一方の湊は黒を基調とした浴衣で、いつもの制服姿とはまるで雰囲気が違った。

長めの前髪も少しだけ整えられていて、大人びた印象がいつも以上に強い。

「……」

「……」

沈黙が長く続く。

先に耐えられなくなったのは陽菜だった。

「あ、あのさ!」

「ん。」

「待った?」

「今来た。」

「そ、そっか!」

そこで会話が終わる。

終わってしまう。

何か話さなきゃ。

そう思うほど何も思い付かない。

(っ.......いつも、どんな事話してたんだっけ。)

陽菜は所在なさげに、指先で巾着の紐をいじり始めた。

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