【青春BL】舞台ではどうか、好き好きオーラをださないでください。

第1話*演劇部に快くん

 暑くなってきた季節。今、演劇部の部室の中心に机を寄せ合い、部員たちで「今年の文化祭、どうしようか」と会議をしていた。

「このチョコレート美味しい!」
「美味しいよね、新商品だよ!」

 僕が買った新商品のチョコレートを他のメンバーが試食している時だった。

幼なじみであり、ひとつ年下の一年生、柴宮快(しばみやかい)くんが廊下を無表情で風のように通り過ぎて行った。

 サラリと揺れる艶やかな黒髪、美しい肌と整ったクールビューティーな顔立ち。そして抜群なスタイル。

さすが、入学式早々イケメンがいると注目を浴びていた快くん。一瞬横切っただけなのにキラキラオーラが眩しい。もわっとしていた空気も一瞬で清らかになり、涼しくなった気がした。

「柴宮くんみたいな人が演劇部にいたら、演劇部の地味さが消えて、ぱっと一気に華やかになりそうだよね」と、廊下を眺めながら、やさぐれ役担当の部長の山下くんが呟く。

 僕たち演劇部メンバーは、僕みたいな妄想大好きな地味男子、四人で結成されていた。今の山下部長の発言に対して肯定した答えを返してしまうと〝現在の演劇部は地味〟と完全に認めてしまうことにもなり、後々〝『演劇部は地味発言』の発信源は萌木星〟と、いつの間にか、妄想が広がりすぎてあちこち散らかる僕たちの間で面倒なことになりそうな確率はゼロではないので、聞こえないふりをした。別に地味なことがダメなんてことは一切僕は思わないけれど。

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