こわもて専務の秘密の趣味 ~御曹司は愛する人を運命の糸でからめとる~
「いつも私の編んだ作品を持っていかれて。友達だからと思ったけど、心をもてあそばれたみたいで悲しい」
彩羅は思わず彼女を見る。
今もまた嘘を塗り重ねて貶めるなんて。
そう思ったときだった。
「そんな人と縁が切れてよかったね」
同僚のひとりが言い、月菜の表情が固まった。予想外の回答だったらしい。
「どうしてランチでこの店に? 萌木さんがいるってわかってたよね?」
「料理がおいしかったからみんなにも食べてほしくて。私が我慢すればいいだけだから……」
「我慢しなくていいよ。もう来ないようにしよ」
続いた言葉に、また月菜の笑顔がひきつる。
またしても期待した反応ではなかったのだろう。
「そうだよね。いじめることしか頭にないような人なんて見きりをつけたほうがいいよね」
月菜のその言葉が聞こえたとき。
拓斗がかちっとガスの火を止めた。
「萌木さん、ここにいて」
いつも通りのにこやかな顔――のはずだが、目が笑っておらず、凄みがある。
「はい」
彩羅が戸惑いながら返事をすると、拓斗はすたすたとフロアに出ていく。
「鬼やば! 激おこ!」
カウンターに戻ってきたマリリンがおびえたように言う。
あれで怒ってるの?
彩羅は目をぱちぱちさせて月菜の前に立った拓斗を見る。ここからでは背中しか見えない。
「お客様。大変申し訳ありませんが、退店願えますか」
穏やかな声はいつも通りだが、内容が不穏だ。
彩羅は思わず彼女を見る。
今もまた嘘を塗り重ねて貶めるなんて。
そう思ったときだった。
「そんな人と縁が切れてよかったね」
同僚のひとりが言い、月菜の表情が固まった。予想外の回答だったらしい。
「どうしてランチでこの店に? 萌木さんがいるってわかってたよね?」
「料理がおいしかったからみんなにも食べてほしくて。私が我慢すればいいだけだから……」
「我慢しなくていいよ。もう来ないようにしよ」
続いた言葉に、また月菜の笑顔がひきつる。
またしても期待した反応ではなかったのだろう。
「そうだよね。いじめることしか頭にないような人なんて見きりをつけたほうがいいよね」
月菜のその言葉が聞こえたとき。
拓斗がかちっとガスの火を止めた。
「萌木さん、ここにいて」
いつも通りのにこやかな顔――のはずだが、目が笑っておらず、凄みがある。
「はい」
彩羅が戸惑いながら返事をすると、拓斗はすたすたとフロアに出ていく。
「鬼やば! 激おこ!」
カウンターに戻ってきたマリリンがおびえたように言う。
あれで怒ってるの?
彩羅は目をぱちぱちさせて月菜の前に立った拓斗を見る。ここからでは背中しか見えない。
「お客様。大変申し訳ありませんが、退店願えますか」
穏やかな声はいつも通りだが、内容が不穏だ。