転んだおばあさん
私が足の骨折で入院していたとき、同室に寝たきりのおばあさんがいた。お見舞いに誰もこなくて孤独だった。そんな彼女を不憫に思ったけれど、それよりも早く退院したくて仕方なかった。退院日、母に連れられて病室を出たとき、ナースステーションが騒がしいことに気づいた。あのおばあさんがトイレで転んだというのだ。しかしおばあさんは寝たきりだ。ふいに後ろを振り返ると、病室からおばあさんが笑ってこちら見ていた。
