振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
『嬉しすぎて、なんて返せばいいか分かんなくなった。』
「……。」
胸の奥がじんわり温かくなる。
「ふふっ。」
『また笑った。』
「だって……光くんが、そんなこと言うから。」
『本当のことだもん。』
少し照れたように笑ってから、光くんは優しく言った。
『澪ちゃんも、ずるい子。』
その一言だけで、胸がいっぱいになる。
電話を切ったあとも、私はしばらくスマホを握ったまま動けなかった。
画面はもう真っ暗なのに。
耳にはまだ、光くんの優しい声が残っている。
「……日曜日。」
小さく呟く。
二年ぶりの約束。
嬉しくて。
少しだけ怖くて。
でも今は、その日が来るのを心から楽しみにしている自分がいた。