振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
そんな沈黙を破ったのは光くんだった。

「澪ちゃん。」

「……はい?」

「どこ行きたい?」

「えっ。」

突然聞かれて固まってしまう。

「わ、私?」

「うん。」

光くんは優しく笑う。

「今日は澪ちゃんが楽しめる日にしたいから。」

その一言だけで胸が温かくなる。

「でも……。」

「私、あんまり詳しくなくて。」

「じゃあ。」

少し考えた光くんが笑った。

「水族館、とか好き?」

「……!」

思わず顔を上げる。



< 170 / 352 >

この作品をシェア

pagetop