振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「きゃー!」
「あっ……。」
避けようとした瞬間。
ふわっ。
手が優しく包まれる。
「……っ!」
驚いて隣を見る。
光くんが私の右手をそっと握っていた。
「危なっ」
その声は、とても自然だった。
まるで昔と同じように。
「ご、ごめん。」
「謝らなくていいよ。」
優しく笑う光くん。
「今日は日曜日で人も多いし。」
「またはぐれちゃうかもしれないから。こうしてようね。」
そう言って、少しだけ握る力を強くした。
心臓が苦しいくらい速くなる。