振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。
「どうしてですか?」
その問いに、俺は静かに口を開く。
「気を持たせるようなことはしたくない。」
その一言で、教室がまた静まり返った。
早乙女も、さすがに言葉を失っている。
俺は構わず続けた。
「俺には。」
一度だけ息をつく。
「ずっと忘れられないくらい、好きな人がいる。」
「……。」
「その人以外は、今の俺には考えられない。」
早乙女は何も言えず、ただ俺を見つめていた。
だから、はっきり伝える。
「期待させる方が失礼だから。」
少しだけ間を置いて、俺は視線を逸らした。